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ホテルマンとして働く私たちの頭の中を、ちょっとだけお見せしちゃいます。
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起床。欠伸。洗顔。朝食。焼魚。御飯。醤油。完食。歯磨。
脱衣。着衣。時計。確認。放送。占星。運勢。良好。上々。
玄関。開閉。出勤。徒歩。着駅。乗車。電車。混雑。嫌悪。
到着。下車。改札。博多。出口。陽光。温暖。開襟。快適。
会社。仕事。電話。外線。内線。営業。会議。充足。疲労。
退勤。同僚。同行。飲酒。円坐。焼鳥。焼酎。酔客。千鳥。
帰宅。家族。妻子。風呂。背伸。回想。一日。笑顔。睡眠。


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僕のうちの隣の博士はいつも変なものを作っていた。
この前は朝から大音量のアラームが聞こえてきた。ムリヤリ起こされた僕は眠い目をこすりながら博士のもとへ向かった。博士は目覚まし時計を手にして振り回していた。
「どうしたの?」と聞くと、「止まらんなった」と焦っていた。それにしてもすごい音である。頭がガンガンして割れそうなので床に思いっきり叩きつけた。それでもしばらく鳴り続けた後、だんだん音が小さくなってやがて止まった。
「いったい今度は何の発明だったの」と聞くと「腹八分アラーム」だということだ。なんでも自分の腹にパッチをつけ、食事中腹八分になるとアラームが反応して鳴り出すという。ちょうど博士が朝食をとりながら試していたところだったようだ。それにしても、あんなにでかい音を鳴らされたんじゃ食事どころじゃなくなっちゃうよ。
また別の日は、「おもしろいものを見せるぞ」といって近くの公園に呼び出された。いつものことなので、僕は公園に行った。博士は埴輪みたいな胴体に2本の腕がまっすぐ伸びた変な機械をいじくっていた。僕はそれを見ながら「今度は何を発明したんだい」と聞いてみた。
「まあ見てろ」そう言って博士は機械の裏のスイッチを押した。すると機械が起動し始め、うーんと唸るような音を立てながら腕をゆっくり動かしはじめた。すると、その動きにあわせて無人のブランコが動き始めたではないか!
「はっはっは、どうだ、ブランココントローラーだ!これで自由自在にブランコを操れるぞ!」
博士は得意げに笑い、「乗ってみろ」とブランコを指差した。僕は恐る恐るブランコに乗った。すると僕が漕がなくてもブランコが機械に合わせて揺れ始めた。怖いながらも楽しくなってきた。僕の笑顔を見て調子に乗ったのか、博士が機械の速度を上げた。ぐおんぐおん、と加速してブランコが上下し始めた。ちゃんとしがみついていないと飛ばされそうな勢いだ。
「博士!ちょっと止めて!危ない!」僕は博士に叫んだが、スイッチが入ってしまった博士の耳には届かない。博士は機械をいじってさらにスピードを上げた。お尻がブランコから浮いていて、乗っているというよりも飛んでいるといった方がいいような感じだ。手が滑り、僕は大空に飛ばされた。
今まで空を飛ぼうと夢見た人がどれぐらいいたのか知らないけれど、僕は期せずしてそれを体現した。全てがスローモーションになった。地上から博士が口を細長く開けて「おおーっ」と感嘆の声を上げる様まで鮮明に見えた。「感心してる場合じゃないだろ」と思いながら、僕は空中を回りながら進んだ。
そして僕は今でも空を飛び続けている。そう、まさにこの話と同じ、着地点が見つからないのである。トホホ


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風が強いですね。
やっと少し暖かくなってきたなあと思っていたら、急に吹き始めた強風。
おかげで新幹線や飛行機などの交通機関にかなりの影響が出たようで、ホテルに来るお客様も移動に疲れた顔をしてらっしゃいました。
会社の行き帰りの時も風が強いので目にゴミが入ったり、その上雨まで




            傘                   よ

                             ふ           大き    く              



                現

              
                                たべ                    ま
  風                    


                    




                   
                      だったんですけど、風のせいで文字も飛ばされちゃいました。


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23時59分。
クリオコートのエレベータが開いた。
中からばたばたと走り出てくるシンデレラ。
カウンターに置いてあったベルを鳴らす。
奥からフロントマンが走り出てくる。
「予約してたシンデレラですけど」
「はい、ありがとうございます」
シンデレラはチェックイン手続きを済ませる。
あたふたとエレベータに戻り△ボタンを押す。
しかしなかなかエレベータは来ない。
「ああ、魔法が解けてしまうわ」
シンデレラがそうつぶやいた瞬間、時計の針が24時を指した。

のちにフロントマンは語る。
「いやあびっくりしましたよ。さっきまでドレス姿だった女性の方が急に海パン一丁のマッチョマンになったんですからね。まさかあれがシンデレラの正体だったとは思いませんでした」


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クリオコートのとある浴室。
シャワーカーテンの向こうからシャワーを流す音が聞こえる。
その中にかすかに混じる鼻歌。
それを聞いたヘアブラシが横にいるボディスポンジに話しかける。
「なあ、これって何の曲かな」
ボディスポンジは身をくねらせて考える。
「んーと、なんか聞いたことはあるんだけど・・・」
「YUKAじゃない?」
ドライヤーが口をはさむ。
「いやいやいや、YUKAじゃないよ、もうちょっと新しい曲だ」
「aikaか?」
「うーん、違う」
「Chararaとか?」
「そっち系じゃないな。もっとデジタルっぽいやつ」
「デジタルっぽいやつ・・・・?」
ヘアブラシとドライヤーは声を合わせる。
「ほら、なんか3人くらいのユニットだよ」
「3人?女で?」
「そうそう、シンセとか使ってさ」
「hanamaruGT?」
「違う、あれは2人だろ。全員踊ってるグループ」
「全員踊る・・・?」
ボディスポンジは思い出せずにイライラして体を揺らし始めた。
ヘアブラシとドライヤーは一向に思い浮かばず天井を見上げる。

とその時、浴室の外からかすかに声が聞こえた。
小さくてよく聞き取れない声だ。
「ん?なんだ?」
「誰かなんか言ってるよ」
「ちょっと、聞こえないから行って来てよ」
ボディスポンジがドライヤーをつっつく。
「ええ、おれ?!」
「いいから行ってこいよ」
「分かったよ・・・」
ドライヤーは音を立てぬよう床に落ちていたタオルの上に飛び降りた。
そしてコードを伸ばしてドアノブに巻きつけ、そっと浴室の外へ出た。

ほどなくしてドライヤーは戻ってきた。
「分かったよ、鼻歌の正体」
ヘアブラシとボディスポンジはびっくりしたようにのけぞる。
「まじかよ!」
「えっ、誰から教えてもらったの?」
「電気ポット」
「ええっ、さっきなんか声が聞こえたの、電気ポットだったの?」
「ああ、浴室から俺たちの会話が聞こえて教えたくてむずむずしたらしくって」
「で、で、誰なんだ!この鼻歌の正体は?!」
「Berfume」
ヘアブラシとボディスポンジは「それだっ」とそろえて声を上げた。

Berfumeを口ずさみながら、シャワーを終えた女はベッドに座っていた。
向かいのテーブルの上に鎮座する電気ポットが実はノリノリであることは誰も知らない。


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