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ホテルマンとして働く私たちの頭の中を、ちょっとだけお見せしちゃいます。
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僕のうちの隣の博士はいつも変なものを作っていた。
この前は朝から大音量のアラームが聞こえてきた。ムリヤリ起こされた僕は眠い目をこすりながら博士のもとへ向かった。博士は目覚まし時計を手にして振り回していた。
「どうしたの?」と聞くと、「止まらんなった」と焦っていた。それにしてもすごい音である。頭がガンガンして割れそうなので床に思いっきり叩きつけた。それでもしばらく鳴り続けた後、だんだん音が小さくなってやがて止まった。
「いったい今度は何の発明だったの」と聞くと「腹八分アラーム」だということだ。なんでも自分の腹にパッチをつけ、食事中腹八分になるとアラームが反応して鳴り出すという。ちょうど博士が朝食をとりながら試していたところだったようだ。それにしても、あんなにでかい音を鳴らされたんじゃ食事どころじゃなくなっちゃうよ。
また別の日は、「おもしろいものを見せるぞ」といって近くの公園に呼び出された。いつものことなので、僕は公園に行った。博士は埴輪みたいな胴体に2本の腕がまっすぐ伸びた変な機械をいじくっていた。僕はそれを見ながら「今度は何を発明したんだい」と聞いてみた。
「まあ見てろ」そう言って博士は機械の裏のスイッチを押した。すると機械が起動し始め、うーんと唸るような音を立てながら腕をゆっくり動かしはじめた。すると、その動きにあわせて無人のブランコが動き始めたではないか!
「はっはっは、どうだ、ブランココントローラーだ!これで自由自在にブランコを操れるぞ!」
博士は得意げに笑い、「乗ってみろ」とブランコを指差した。僕は恐る恐るブランコに乗った。すると僕が漕がなくてもブランコが機械に合わせて揺れ始めた。怖いながらも楽しくなってきた。僕の笑顔を見て調子に乗ったのか、博士が機械の速度を上げた。ぐおんぐおん、と加速してブランコが上下し始めた。ちゃんとしがみついていないと飛ばされそうな勢いだ。
「博士!ちょっと止めて!危ない!」僕は博士に叫んだが、スイッチが入ってしまった博士の耳には届かない。博士は機械をいじってさらにスピードを上げた。お尻がブランコから浮いていて、乗っているというよりも飛んでいるといった方がいいような感じだ。手が滑り、僕は大空に飛ばされた。
今まで空を飛ぼうと夢見た人がどれぐらいいたのか知らないけれど、僕は期せずしてそれを体現した。全てがスローモーションになった。地上から博士が口を細長く開けて「おおーっ」と感嘆の声を上げる様まで鮮明に見えた。「感心してる場合じゃないだろ」と思いながら、僕は空中を回りながら進んだ。
そして僕は今でも空を飛び続けている。そう、まさにこの話と同じ、着地点が見つからないのである。トホホ


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