ホテルマンとして働く私たちの頭の中を、ちょっとだけお見せしちゃいます。
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「なんですかって、何が?」管理人のおばさんは真顔で聞き返してくる。
「何がって・・・・このリモコンは・・・・おかしくないですか?」
「リモコン?」
「はい、リモコン」と言って私は足元を指差した。その指先を追っておばさんが地面を見る。地面と言っても、どこまでも続くリモコンの大地しか見えないのだが。
「はあ」と気の抜けた返事のおばさん。
しばらく間の悪い沈黙が続く。
「別にいつも通りですけどね」そう言うおばさんの顔には、こちらを明らかに不審人物と思っている表情が見て取れる。実際、おばさんは少し後ずさった。
「はぁ・・・そうですか・・・・」
気味の悪いものを見る視線に耐えきれず、話を早々に切り上げ、私は道路の方へ出ていく。おばさんがこちらをちらちらと窺いながら、また掃除を再開する。
おかしいのは周りなのか自分なのか。訳が分からず私は頭を抱える。必死に昨日のことを思い出そうとする。駅前の居酒屋だった。友人3人と飲んだんだった。その中にはタカシもいた。そういえばさっき電話をかけてきた時、なんだか変だったな。同じ事を繰り返してしゃべっていた。自分もだ。あの時の感覚は自分が自分でないような、何かに操作されているような感じだった。操作、操作。口の中でつぶやいてみる。操作と言えば・・・・・リモコン?
突然バリバリと割れるような音が鳴り響き、びくっとして顔を上げた。見ると大きなゴミ収集車がリモコンを潰しながら直進してきた。
おおおおおおおおおおおおおおお。
後ろへ下がろうとして足をもつらせ、その場に尻もちをついた。
そんな私の目と鼻の先で収集車が止まった。
(つづく)
「何がって・・・・このリモコンは・・・・おかしくないですか?」
「リモコン?」
「はい、リモコン」と言って私は足元を指差した。その指先を追っておばさんが地面を見る。地面と言っても、どこまでも続くリモコンの大地しか見えないのだが。
「はあ」と気の抜けた返事のおばさん。
しばらく間の悪い沈黙が続く。
「別にいつも通りですけどね」そう言うおばさんの顔には、こちらを明らかに不審人物と思っている表情が見て取れる。実際、おばさんは少し後ずさった。
「はぁ・・・そうですか・・・・」
気味の悪いものを見る視線に耐えきれず、話を早々に切り上げ、私は道路の方へ出ていく。おばさんがこちらをちらちらと窺いながら、また掃除を再開する。
おかしいのは周りなのか自分なのか。訳が分からず私は頭を抱える。必死に昨日のことを思い出そうとする。駅前の居酒屋だった。友人3人と飲んだんだった。その中にはタカシもいた。そういえばさっき電話をかけてきた時、なんだか変だったな。同じ事を繰り返してしゃべっていた。自分もだ。あの時の感覚は自分が自分でないような、何かに操作されているような感じだった。操作、操作。口の中でつぶやいてみる。操作と言えば・・・・・リモコン?
突然バリバリと割れるような音が鳴り響き、びくっとして顔を上げた。見ると大きなゴミ収集車がリモコンを潰しながら直進してきた。
おおおおおおおおおおおおおおお。
後ろへ下がろうとして足をもつらせ、その場に尻もちをついた。
そんな私の目と鼻の先で収集車が止まった。
(つづく)
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