ホテルマンとして働く私たちの頭の中を、ちょっとだけお見せしちゃいます。
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「いてててて・・・・」
目を開ければ視界いっぱいにリモコンの山。その合間から唸るような音が響く。
見れば携帯電話が震えながらリモコンとひしめき合っていた。
私は携帯を手に取り、着信画面を見る。友人のタカシからだ。
「もしもし」
「おーう、元気かー」やけに遠くに感じる声が聞こえる。
「なんだよ」
「なんだよってなんだよ。不機嫌だな」
「こっちはえらいことになってんだよ」
「どうした?」
「いや、もう、起きたらリモコンだらけでさ・・・・」
「おーう、元気かー」今度はやけに近くで声が響く。思わず携帯を耳から離す程の大音量だ。
「うるっせぇな、急にでかい声出すなよ」
「おーう、元気か―」
「なんだよ」
「なんだよってなんだよ。不機嫌だな」
「こっちはえらいこと・・・・?」
なんだかおかしい。自分の声なのに自分の声でないような妙な気分。
例えば、何かに操作されているような気分だ。
「なあ、タカシ、お前・・・」
そこで急に電話が切れた。耳にツーツーという音だけが残る。
「なんなんだよ・・・」
携帯を閉じ、茫然と室内を見渡す。何度見てもリモコンだらけの景色は変わらない。白や黒や灰色といったモノトーンの色に囲まれながら、気だるい気分にさせられる。部屋中を飛び交う電波が自分に見えない牙をむいているようだ。
と、突然テレビの電源が入った。薄暗い部屋がさっと白い光に包まれる。
(つづく)
目を開ければ視界いっぱいにリモコンの山。その合間から唸るような音が響く。
見れば携帯電話が震えながらリモコンとひしめき合っていた。
私は携帯を手に取り、着信画面を見る。友人のタカシからだ。
「もしもし」
「おーう、元気かー」やけに遠くに感じる声が聞こえる。
「なんだよ」
「なんだよってなんだよ。不機嫌だな」
「こっちはえらいことになってんだよ」
「どうした?」
「いや、もう、起きたらリモコンだらけでさ・・・・」
「おーう、元気かー」今度はやけに近くで声が響く。思わず携帯を耳から離す程の大音量だ。
「うるっせぇな、急にでかい声出すなよ」
「おーう、元気か―」
「なんだよ」
「なんだよってなんだよ。不機嫌だな」
「こっちはえらいこと・・・・?」
なんだかおかしい。自分の声なのに自分の声でないような妙な気分。
例えば、何かに操作されているような気分だ。
「なあ、タカシ、お前・・・」
そこで急に電話が切れた。耳にツーツーという音だけが残る。
「なんなんだよ・・・」
携帯を閉じ、茫然と室内を見渡す。何度見てもリモコンだらけの景色は変わらない。白や黒や灰色といったモノトーンの色に囲まれながら、気だるい気分にさせられる。部屋中を飛び交う電波が自分に見えない牙をむいているようだ。
と、突然テレビの電源が入った。薄暗い部屋がさっと白い光に包まれる。
(つづく)
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