ホテルマンとして働く私たちの頭の中を、ちょっとだけお見せしちゃいます。
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「危ないだろーう!」収集車から降りながら作業服を着た男が叫ぶ。「走ってる車の前に飛び出すなー!」
助手席からもうひとりの作業員が降りてきて、二人は車の裏に回った。すると、どこからかスコップを取り出し、地面を掘るようにリモコンをかき集めては収集口に詰め込んでいく。
私はそろそろと抜けた腰を起こして立ち上がり、その作業をみつめていた。大量に広がったリモコンの量に対して、男ふたり、しかもスコップ。あまりにも効率が悪すぎる。
「今日は特に多いなー」「なー」と、二人は悠長に話しながらリモコンの大地を掘り続ける。しかも一回に集める量は10個程度で、それもいくつかこぼしながらやっているので、とてもはかどっているとは言えない。しかし、二人は5分ほど作業をすると、「ふう」と一息ついて満足げに額の汗をぬぐった。
「コーヒーでも飲むべなー」「なー」二人はスコップを放り出し、そばにあった自販機へ向かう。何がおかしいのか、ヒヒヒヒと笑いながら互いの肩を小突きあい、楽しげに財布の中をのぞいている。
私は二人に近づいた。二人は「どれにしようかな」などと言って笑いあっていたのを、後ろからの私の気配でさっと真顔に戻り振り返った。
「なんべなー!」「なー!」片方のやや訛りのある言葉に続いて、もう片方が「なー!」と相づちを打つのが特徴的だ。もしかすると兄弟なのかもしれない、どことなく顔も似ている。
「あの、ちょっとお二人にお聞きしたいんですが・・・」私は切り出した。
(つづく)
助手席からもうひとりの作業員が降りてきて、二人は車の裏に回った。すると、どこからかスコップを取り出し、地面を掘るようにリモコンをかき集めては収集口に詰め込んでいく。
私はそろそろと抜けた腰を起こして立ち上がり、その作業をみつめていた。大量に広がったリモコンの量に対して、男ふたり、しかもスコップ。あまりにも効率が悪すぎる。
「今日は特に多いなー」「なー」と、二人は悠長に話しながらリモコンの大地を掘り続ける。しかも一回に集める量は10個程度で、それもいくつかこぼしながらやっているので、とてもはかどっているとは言えない。しかし、二人は5分ほど作業をすると、「ふう」と一息ついて満足げに額の汗をぬぐった。
「コーヒーでも飲むべなー」「なー」二人はスコップを放り出し、そばにあった自販機へ向かう。何がおかしいのか、ヒヒヒヒと笑いながら互いの肩を小突きあい、楽しげに財布の中をのぞいている。
私は二人に近づいた。二人は「どれにしようかな」などと言って笑いあっていたのを、後ろからの私の気配でさっと真顔に戻り振り返った。
「なんべなー!」「なー!」片方のやや訛りのある言葉に続いて、もう片方が「なー!」と相づちを打つのが特徴的だ。もしかすると兄弟なのかもしれない、どことなく顔も似ている。
「あの、ちょっとお二人にお聞きしたいんですが・・・」私は切り出した。
(つづく)
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