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ホテルマンとして働く私たちの頭の中を、ちょっとだけお見せしちゃいます。
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私は納豆巻きである。

コンビニの棚の片隅に寝転んでいた。

おにぎり達はほとんど売り切れていて、一番近くのシーチキンマヨネーズおにぎりとも20cmほど離れた距離にいた。
夜中ということもあり、商品が補充されることもなく、私をライトアップする光の中でぼんやりしていた。

コンビニの入り口が開いてチャイムが鳴った。店員がいらっしゃいませとあいさつをする。
ふらりと入ってきたスーツ姿の男は、レジの前を通りまっすぐ歩いて近づいてきた。

そして、おにぎりコーナーにさしかかり、私の目の前で立ち止まった。

私はにわかに緊張する。今日はもう売れ残りで処分されるものだとあきらめていた。賞味期限も迫っているこの時間帯、まさかこの人は私のことを買ってくれるのであろうか・・・・・

しばらく眺めた後、男の人は手を動かした。私の胸に不安と期待がよぎる。私だろうか、いや、この手の角度からしてシーチキンマヨネーズかもしれないし焼き鮭おにぎりかもしれない。もしくは上の段のおかかまで手を伸ばすかもしれないぞ。

そして男の人の手はまっすぐに私をつかんだ。
私はその瞬間に歓喜の雄叫びをあげた。読者諸君は発声器官もない納豆巻きがどうやって声を出すかと問うかもしれない。その問いには「そんな細かいことを気にしてはいけない」という言葉を返してあげよう。

その後、私は無事レジに通され、レジ袋の中に入れられた。カップラーメンとお茶のペットボトルと一緒だ。男の人が袋を軽く揺らしながら歩くため、私は何度もペットボトルとぶつかって少し納豆がこぼれた。

こうして私はいま、男の人が泊まるクリオコートの客室にいる。机の上ではポットが湯を沸かし蒸気を噴き出している。それを下から見上げるような角度で私はテーブルの上に寝転がっている。

男の人はお茶をひとくち飲み、私に手を伸ばした。フィルムがはがされる。棒状のご飯をうまく転がしながら外側ののりを巻いていく。かなり慣れている手つきで、これなら巻かれ甲斐があるというものだ。

シャリとのりがずれることなくきれいに巻かれた私を、彼は口へと持っていく。
「召し上がれ」と心の中でつぶやいた時、私はのりがかじられるバリッという音を聞いた。


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トイレに行こうとしてバスルームのドアを開けると、なぜかまた目の前にバスルームのドアがあった。

思わずドアを閉めると辺りが真っ暗になった。いつの間にかクローゼットの中に入ってしまっていた。

クローゼットの扉を開けて出ると廊下に出ていた。自分の部屋の前である。

おかしいな、と思いながら部屋に戻ろうとしてもオートロックのため開かない。

仕方ないのでフロントに下りようとエレベーターに乗ると部屋に戻ってしまった。

とりあえず寝ようと思ってベッドにもぐり込むと気がつけば浴槽に寝転んでいた。

トイレに行くつもりだったなと思い出し、浴槽から出て便座に腰掛けたと思えばベッドの上。

もうむやみに動くまいとベッドに入ってまた浴槽にワープしたがそのまま寝た。

もうすぐ春ですね。



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もう、発つのか?

 はい。

もっとゆっくりしていけばいいものを。

 いえ、先を急ぐので。

本当にせっかちな奴じゃ。

 ええ。

これを持っていくがよい。

 何ですか、これは?

旅人の無事を祈るお守りじゃ。
肌身離さずつけておくとよい。

 ありがとうございます。
 本当に短い間でしたがお世話になりました。

礼はいい、早く行け!

 はいっ!行って参ります!





・・・・行ってしまったか。
それにしてもワシの若い頃にそっくりな奴じゃ。
無事にクリオの宮殿に辿りつける事を祈っておるぞ。


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ゴリラがチェックインにやってきた。

「うほ、うほ、うほうほうほ」

「ではこちらにご記入をお願いいたします」

ゴリラはシートに名前や連絡先を記入していく。

「ゴリ田ゴリ男様でございますね、ありがとうございます。
御一泊で伺っておりますがお間違いないでしょうか」

「うほ」

「それでは前預かり制となっておりまして、
ご宿泊代金が8500円でございます」

「うほほ」

ゴリラは財布からカードを取り出した。

「お預かりいたします。
金額をお確かめの上、暗証番号をお願いいたします」

「うっほっほ・・・」

「あっ、暗証番号が分からなければサインでも結構ですが」

「うほっ!」

「かしこまりました。
ではこちらにご署名をお願いいたします」

ゴリラはさらさらとサインをする。

「ありがとうございます。ではこちらがお客様控えになります」

「うほほほ」

「領収書はチェックアウト時にお渡ししております」

「うほっ!」

「領収書の宛名は御会社名でよろしいですか?」

「うほほっ!」

「ではチェックアウト時に『ゴリゴリ産業』様でお渡しいたします。
お待たせいたしました。お部屋が○○○号室でございます」

「うっほっほっほ」

ルームキーを持ってゴリラはエレベーターを上がり、部屋へと入る。
荷物をソファの上に置くと、ネクタイを取ってゴリラのマスクを脱ぐ。
顔にかいた汗を拭いながら男はつぶやく。

「ゴリラにも対応できるとはさすがだな、クリオコート!」

世界は今日も平和だ。



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むかしむかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。

ある日、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは川に洗濯に行きました。

おばあさんが川で洗濯をしていると、どんぶらこどんぶらこと大きな栗が流れてきました。

「まあ、これはなんと大きな栗じゃ」

おばあさんは家に持って帰ろうと大きな栗に手を伸ばしました。

しかし、とげが痛くてとても持てそうにありません。

「はて、どうしたもんかのう」

おばあさんが考えている間にも、栗はどんぶらこどんぶらこと流れていきます。

何かないかと辺りを見回したおばあさんは、近くの木の下に折れた枝が落ちているのを見つけました。

それを2本拾い上げると、大きな栗を両側からがっちりとはさみました。

UFOキャッチャーの要領でおばあさんは栗を慎重に持ち上げます。

そしておばあさんは持ってる栗を置こうと図った。

持ってる栗を置こうと図った。

ホテルクリオコート博多。


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