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ホテルマンとして働く私たちの頭の中を、ちょっとだけお見せしちゃいます。
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私は納豆巻きである。

コンビニの棚の片隅に寝転んでいた。

おにぎり達はほとんど売り切れていて、一番近くのシーチキンマヨネーズおにぎりとも20cmほど離れた距離にいた。
夜中ということもあり、商品が補充されることもなく、私をライトアップする光の中でぼんやりしていた。

コンビニの入り口が開いてチャイムが鳴った。店員がいらっしゃいませとあいさつをする。
ふらりと入ってきたスーツ姿の男は、レジの前を通りまっすぐ歩いて近づいてきた。

そして、おにぎりコーナーにさしかかり、私の目の前で立ち止まった。

私はにわかに緊張する。今日はもう売れ残りで処分されるものだとあきらめていた。賞味期限も迫っているこの時間帯、まさかこの人は私のことを買ってくれるのであろうか・・・・・

しばらく眺めた後、男の人は手を動かした。私の胸に不安と期待がよぎる。私だろうか、いや、この手の角度からしてシーチキンマヨネーズかもしれないし焼き鮭おにぎりかもしれない。もしくは上の段のおかかまで手を伸ばすかもしれないぞ。

そして男の人の手はまっすぐに私をつかんだ。
私はその瞬間に歓喜の雄叫びをあげた。読者諸君は発声器官もない納豆巻きがどうやって声を出すかと問うかもしれない。その問いには「そんな細かいことを気にしてはいけない」という言葉を返してあげよう。

その後、私は無事レジに通され、レジ袋の中に入れられた。カップラーメンとお茶のペットボトルと一緒だ。男の人が袋を軽く揺らしながら歩くため、私は何度もペットボトルとぶつかって少し納豆がこぼれた。

こうして私はいま、男の人が泊まるクリオコートの客室にいる。机の上ではポットが湯を沸かし蒸気を噴き出している。それを下から見上げるような角度で私はテーブルの上に寝転がっている。

男の人はお茶をひとくち飲み、私に手を伸ばした。フィルムがはがされる。棒状のご飯をうまく転がしながら外側ののりを巻いていく。かなり慣れている手つきで、これなら巻かれ甲斐があるというものだ。

シャリとのりがずれることなくきれいに巻かれた私を、彼は口へと持っていく。
「召し上がれ」と心の中でつぶやいた時、私はのりがかじられるバリッという音を聞いた。


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