サスペンス劇場 2012/03/05 (Mon)

ざっぱーん、ざっぱーん。

荒波がしぶきを上げる。

崖の上に女と刑事が向かい合っている。

女「来ないで！近づくと飛び降りるわよ！」

刑事「早まるんじゃない！

息子さんもそんなことは望んでない！」

女「うるさいっ！」

女はヒステリックに叫び、さらに崖のふちまで後ずさる。

刑事は手を伸ばして声を上げる「待てっ！」

しかし時すでに遅し、女の姿は視界から消える。

慌てて駆ける刑事、崖の下を見下ろす。

ざっぱーん、ざっぱーん。

荒波が打ちつける音が響くだけで、そこに人の姿は無い。

刑事は首をかしげる「彼女はどこへ消えたんだ？」

遠くからパトカーのサイレンが近づいてくる。

停車したパトカーからばたばたと刑事たちが降りてくる。

「どうした？女は？」

「いや、ここから飛び降りて、消えてしまったんだ」

「そうか、ならもういい、飲みに行こう」

「うん、行こう行こう」

彼らはそのまま博多の街へ繰り出した。

うまい魚を食べ、うまい酒を飲み、大いに盛り上がった。

「もう終電ないなあ。どこかに泊まるか」

「うん、じゃあクリオコートに電話してみよう」

いらっしゃいませ、ホテルクリオコート博多でございます。


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