ホテルマンとして働く私たちの頭の中を、ちょっとだけお見せしちゃいます。
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「おーい、気付いたかい?」マネージャーがメガネ男に声をかける。メガネ男はイスにつかまりながら、苦しそうにうめいた。「うう・・・・んん」
やっとのこと立ち上がった彼は、そのまま崩れるようにイスに座った。衝撃でテーブルが少し揺れた。カップの中のコーヒーが波立つ。
「大丈夫か?」心配していなさそうな口調でマネージャーが聞く。メガネはふぅぅぅぅぅぅと大きく息を吐いた。「ん・・・・なんとか・・・」
「すいませんね、なんか」私はひとまず誤った。いや誤った、謝った。
「さて」マネージャーは手をぽんとたたいた。「どうしますかね」
「ううん、なんとかこの話に決着をつけなければいけませんからね」と私。
「しかし、いい感じのオチ思いつきますか?」
「mmmm・・・そうですね・・・難しいなあ」
「電源を切ってしまえば?」突然、メガネ男が口をはさんだ。
「どういうことです?」
「いや、だから、色黒兄弟が送ってきたリモコンがあったでしょう。あれで電源を切っちゃえば、この世界も終わるんじゃないですか?」
「うん・・・」マネージャーが腕を組む。「リモコンから始まった世界だから、リモコンで終わらせるってのも確かに理屈にかなってるか」私にぐっと顔を寄せてきた。「で、あのリモコンどこに置いてきましたっけ?」
「ええっと確か・・・」私は逡巡する。「ここに来る前に部屋で放り投げてきましたね。でも、こうしてリモコンが作者の手によって消されてるのに、あのリモコンはまだ残っているんでしょうか?」
「残ってますよ。作者だってなんとかしたいと思ってる。決着がつくのなら私達のどんなアイデアにだって飛びつきたい思いですよ。その証拠に」そう言って店の外を指差した。「見て下さい、ほら」
マネージャーの指した指の先を追い外を見やれば、いつの間にやら我がマンションが目の前にあった。「うわっ、なんでこんな近くに」
「もうこれは戻ってリモコンを拾い、後はお前たちに任せるってことでしょう。さあ、行きましょう!」
マネージャーはすっくと立ち上がり、歩き出した。私とメガネもガタガタとイスを揺らしながら、慌てて後を追いかける。
先を行くマネージャーの前に太陽が射し、その背中は輝いて見えた。
(つづく)
やっとのこと立ち上がった彼は、そのまま崩れるようにイスに座った。衝撃でテーブルが少し揺れた。カップの中のコーヒーが波立つ。
「大丈夫か?」心配していなさそうな口調でマネージャーが聞く。メガネはふぅぅぅぅぅぅと大きく息を吐いた。「ん・・・・なんとか・・・」
「すいませんね、なんか」私はひとまず誤った。いや誤った、謝った。
「さて」マネージャーは手をぽんとたたいた。「どうしますかね」
「ううん、なんとかこの話に決着をつけなければいけませんからね」と私。
「しかし、いい感じのオチ思いつきますか?」
「mmmm・・・そうですね・・・難しいなあ」
「電源を切ってしまえば?」突然、メガネ男が口をはさんだ。
「どういうことです?」
「いや、だから、色黒兄弟が送ってきたリモコンがあったでしょう。あれで電源を切っちゃえば、この世界も終わるんじゃないですか?」
「うん・・・」マネージャーが腕を組む。「リモコンから始まった世界だから、リモコンで終わらせるってのも確かに理屈にかなってるか」私にぐっと顔を寄せてきた。「で、あのリモコンどこに置いてきましたっけ?」
「ええっと確か・・・」私は逡巡する。「ここに来る前に部屋で放り投げてきましたね。でも、こうしてリモコンが作者の手によって消されてるのに、あのリモコンはまだ残っているんでしょうか?」
「残ってますよ。作者だってなんとかしたいと思ってる。決着がつくのなら私達のどんなアイデアにだって飛びつきたい思いですよ。その証拠に」そう言って店の外を指差した。「見て下さい、ほら」
マネージャーの指した指の先を追い外を見やれば、いつの間にやら我がマンションが目の前にあった。「うわっ、なんでこんな近くに」
「もうこれは戻ってリモコンを拾い、後はお前たちに任せるってことでしょう。さあ、行きましょう!」
マネージャーはすっくと立ち上がり、歩き出した。私とメガネもガタガタとイスを揺らしながら、慌てて後を追いかける。
先を行くマネージャーの前に太陽が射し、その背中は輝いて見えた。
(つづく)
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