ホテルマンとして働く私たちの頭の中を、ちょっとだけお見せしちゃいます。
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私は作者に対してぶつぶつと愚痴を言いながら自分の部屋へと戻った。
ザクザクとリモコンを踏みしめながら、いつの間にかその存在にあまり違和感を覚えなくなっている自分に気づく。
リモコンを掻くようにしてドアを開けると、色黒兄弟が蹴り込んでいったシルバーのリモコンが目についた。床一面、同じような色ばかりなのに、なぜかそれだけは周囲から浮いて見えたのだ。
他のものとは何か違うのだろうかとそれを拾い上げる。ぶ厚くて結構ずっしりと重い。チャンネルボタンと再生・巻き戻し・早送りなどのボタンなどがあり、テレビとDVDプレーヤーのリモコンを一緒にしたようなタイプだった。しかし、市販されているものと比べて特別何か変わっているわけでもない。
しばらく引っくり返したりしてまじまじと見ていたが、何か変わった機能もついていなさそうなので、ボタンを押してみる事にした。
チャンネル「5」をポチっとな。
次の瞬間!!!!
・・・・・・・何も起こらない。
他のボタンも押してみたが、テレビがついたり、エアコンのスイッチが入ったり、どこかでロボットが起動するような音もしない。
なんだ、つまらん、と心の中で何か起こる事を期待していたのを裏切られ気抜けして、投げ捨てようと思ったが、ふと思いつき、裏の電池パックのフタを開けてみた。
案の定、電池が入っていなかった。
まだ何か起こる可能性が残っていた事に内心わくわくしながら、床の上から適当にリモコンを拾って電池パックを開けてみるが入っていない。その次も、その次も、そのまた次もだ。
家のどこかに電池の買い置きがなかったか思い出そうとしたが、最近電池を買った覚えはなかった。
再び落胆しかけたが、もしやこのリモコンが入っていた箱に付属しているのでは、と思いついた。
また外に戻り、マジックで「栗田へ」と書かれたボコボコの段ボール箱を拾い上げ中を覗くが何もない。箱を逆さにして振ってみたが何も落ちて来ない。手の中で回すように箱を四方から見てみたが、何も変わったところはない。ただ「栗田へ」という大きな文字が目につくだけだ。それにしても、この字どこかで見た事があるような・・・・。
そう思った時、目の端にきらりと何かが映った。廊下の少し先、隣と隣の隣の部屋の間ぐらいのところに、小さな四角いものがある。あれはもしや電池ではないか?
箱を捨てて飛びつくように向かうとやはり電池だった。やはり電池は箱の中に入っていたんだ。色黒兄弟との段ボール箱ドッジボールで飛び出てしまったのだろう。
外側を覆っていたフィルムをはぎとり、早速電池をリモコンにセットした。
チャンネル「5」をまた押してみる。
次の瞬間!!!!!
周りの景色が高速で吹き飛ぶように流れ、白と黒の走査線が私を覆った。
「AGHHHHHHHHHHHHHHH!!!!」
(つづく)
ザクザクとリモコンを踏みしめながら、いつの間にかその存在にあまり違和感を覚えなくなっている自分に気づく。
リモコンを掻くようにしてドアを開けると、色黒兄弟が蹴り込んでいったシルバーのリモコンが目についた。床一面、同じような色ばかりなのに、なぜかそれだけは周囲から浮いて見えたのだ。
他のものとは何か違うのだろうかとそれを拾い上げる。ぶ厚くて結構ずっしりと重い。チャンネルボタンと再生・巻き戻し・早送りなどのボタンなどがあり、テレビとDVDプレーヤーのリモコンを一緒にしたようなタイプだった。しかし、市販されているものと比べて特別何か変わっているわけでもない。
しばらく引っくり返したりしてまじまじと見ていたが、何か変わった機能もついていなさそうなので、ボタンを押してみる事にした。
チャンネル「5」をポチっとな。
次の瞬間!!!!
・・・・・・・何も起こらない。
他のボタンも押してみたが、テレビがついたり、エアコンのスイッチが入ったり、どこかでロボットが起動するような音もしない。
なんだ、つまらん、と心の中で何か起こる事を期待していたのを裏切られ気抜けして、投げ捨てようと思ったが、ふと思いつき、裏の電池パックのフタを開けてみた。
案の定、電池が入っていなかった。
まだ何か起こる可能性が残っていた事に内心わくわくしながら、床の上から適当にリモコンを拾って電池パックを開けてみるが入っていない。その次も、その次も、そのまた次もだ。
家のどこかに電池の買い置きがなかったか思い出そうとしたが、最近電池を買った覚えはなかった。
再び落胆しかけたが、もしやこのリモコンが入っていた箱に付属しているのでは、と思いついた。
また外に戻り、マジックで「栗田へ」と書かれたボコボコの段ボール箱を拾い上げ中を覗くが何もない。箱を逆さにして振ってみたが何も落ちて来ない。手の中で回すように箱を四方から見てみたが、何も変わったところはない。ただ「栗田へ」という大きな文字が目につくだけだ。それにしても、この字どこかで見た事があるような・・・・。
そう思った時、目の端にきらりと何かが映った。廊下の少し先、隣と隣の隣の部屋の間ぐらいのところに、小さな四角いものがある。あれはもしや電池ではないか?
箱を捨てて飛びつくように向かうとやはり電池だった。やはり電池は箱の中に入っていたんだ。色黒兄弟との段ボール箱ドッジボールで飛び出てしまったのだろう。
外側を覆っていたフィルムをはぎとり、早速電池をリモコンにセットした。
チャンネル「5」をまた押してみる。
次の瞬間!!!!!
周りの景色が高速で吹き飛ぶように流れ、白と黒の走査線が私を覆った。
「AGHHHHHHHHHHHHHHH!!!!」
(つづく)
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