ホテルマンとして働く私たちの頭の中を、ちょっとだけお見せしちゃいます。
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23時59分。
クリオコートのエレベータが開いた。
中からばたばたと走り出てくるシンデレラ。
カウンターに置いてあったベルを鳴らす。
奥からフロントマンが走り出てくる。
「予約してたシンデレラですけど」
「はい、ありがとうございます」
シンデレラはチェックイン手続きを済ませる。
あたふたとエレベータに戻り△ボタンを押す。
しかしなかなかエレベータは来ない。
「ああ、魔法が解けてしまうわ」
シンデレラがそうつぶやいた瞬間、時計の針が24時を指した。
のちにフロントマンは語る。
「いやあびっくりしましたよ。さっきまでドレス姿だった女性の方が急に海パン一丁のマッチョマンになったんですからね。まさかあれがシンデレラの正体だったとは思いませんでした」
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クリオコートのエレベータが開いた。
中からばたばたと走り出てくるシンデレラ。
カウンターに置いてあったベルを鳴らす。
奥からフロントマンが走り出てくる。
「予約してたシンデレラですけど」
「はい、ありがとうございます」
シンデレラはチェックイン手続きを済ませる。
あたふたとエレベータに戻り△ボタンを押す。
しかしなかなかエレベータは来ない。
「ああ、魔法が解けてしまうわ」
シンデレラがそうつぶやいた瞬間、時計の針が24時を指した。
のちにフロントマンは語る。
「いやあびっくりしましたよ。さっきまでドレス姿だった女性の方が急に海パン一丁のマッチョマンになったんですからね。まさかあれがシンデレラの正体だったとは思いませんでした」
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クリオコートのとある浴室。
シャワーカーテンの向こうからシャワーを流す音が聞こえる。
その中にかすかに混じる鼻歌。
それを聞いたヘアブラシが横にいるボディスポンジに話しかける。
「なあ、これって何の曲かな」
ボディスポンジは身をくねらせて考える。
「んーと、なんか聞いたことはあるんだけど・・・」
「YUKAじゃない?」
ドライヤーが口をはさむ。
「いやいやいや、YUKAじゃないよ、もうちょっと新しい曲だ」
「aikaか?」
「うーん、違う」
「Chararaとか?」
「そっち系じゃないな。もっとデジタルっぽいやつ」
「デジタルっぽいやつ・・・・?」
ヘアブラシとドライヤーは声を合わせる。
「ほら、なんか3人くらいのユニットだよ」
「3人?女で?」
「そうそう、シンセとか使ってさ」
「hanamaruGT?」
「違う、あれは2人だろ。全員踊ってるグループ」
「全員踊る・・・?」
ボディスポンジは思い出せずにイライラして体を揺らし始めた。
ヘアブラシとドライヤーは一向に思い浮かばず天井を見上げる。
とその時、浴室の外からかすかに声が聞こえた。
小さくてよく聞き取れない声だ。
「ん?なんだ?」
「誰かなんか言ってるよ」
「ちょっと、聞こえないから行って来てよ」
ボディスポンジがドライヤーをつっつく。
「ええ、おれ?!」
「いいから行ってこいよ」
「分かったよ・・・」
ドライヤーは音を立てぬよう床に落ちていたタオルの上に飛び降りた。
そしてコードを伸ばしてドアノブに巻きつけ、そっと浴室の外へ出た。
ほどなくしてドライヤーは戻ってきた。
「分かったよ、鼻歌の正体」
ヘアブラシとボディスポンジはびっくりしたようにのけぞる。
「まじかよ!」
「えっ、誰から教えてもらったの?」
「電気ポット」
「ええっ、さっきなんか声が聞こえたの、電気ポットだったの?」
「ああ、浴室から俺たちの会話が聞こえて教えたくてむずむずしたらしくって」
「で、で、誰なんだ!この鼻歌の正体は?!」
「Berfume」
ヘアブラシとボディスポンジは「それだっ」とそろえて声を上げた。
Berfumeを口ずさみながら、シャワーを終えた女はベッドに座っていた。
向かいのテーブルの上に鎮座する電気ポットが実はノリノリであることは誰も知らない。
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その中にかすかに混じる鼻歌。
それを聞いたヘアブラシが横にいるボディスポンジに話しかける。
「なあ、これって何の曲かな」
ボディスポンジは身をくねらせて考える。
「んーと、なんか聞いたことはあるんだけど・・・」
「YUKAじゃない?」
ドライヤーが口をはさむ。
「いやいやいや、YUKAじゃないよ、もうちょっと新しい曲だ」
「aikaか?」
「うーん、違う」
「Chararaとか?」
「そっち系じゃないな。もっとデジタルっぽいやつ」
「デジタルっぽいやつ・・・・?」
ヘアブラシとドライヤーは声を合わせる。
「ほら、なんか3人くらいのユニットだよ」
「3人?女で?」
「そうそう、シンセとか使ってさ」
「hanamaruGT?」
「違う、あれは2人だろ。全員踊ってるグループ」
「全員踊る・・・?」
ボディスポンジは思い出せずにイライラして体を揺らし始めた。
ヘアブラシとドライヤーは一向に思い浮かばず天井を見上げる。
とその時、浴室の外からかすかに声が聞こえた。
小さくてよく聞き取れない声だ。
「ん?なんだ?」
「誰かなんか言ってるよ」
「ちょっと、聞こえないから行って来てよ」
ボディスポンジがドライヤーをつっつく。
「ええ、おれ?!」
「いいから行ってこいよ」
「分かったよ・・・」
ドライヤーは音を立てぬよう床に落ちていたタオルの上に飛び降りた。
そしてコードを伸ばしてドアノブに巻きつけ、そっと浴室の外へ出た。
ほどなくしてドライヤーは戻ってきた。
「分かったよ、鼻歌の正体」
ヘアブラシとボディスポンジはびっくりしたようにのけぞる。
「まじかよ!」
「えっ、誰から教えてもらったの?」
「電気ポット」
「ええっ、さっきなんか声が聞こえたの、電気ポットだったの?」
「ああ、浴室から俺たちの会話が聞こえて教えたくてむずむずしたらしくって」
「で、で、誰なんだ!この鼻歌の正体は?!」
「Berfume」
ヘアブラシとボディスポンジは「それだっ」とそろえて声を上げた。
Berfumeを口ずさみながら、シャワーを終えた女はベッドに座っていた。
向かいのテーブルの上に鎮座する電気ポットが実はノリノリであることは誰も知らない。
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34日間にわたる過酷なチェックイン・トレーニングを終え、私は博多へ戻ってきた。
改めてクリオコートのカウンターへと向かった。
そこには、私を以前出迎えたフロントマンが立っていた。
「お疲れ様でございました。無事トレーニングを終えられたのですね」
「ええ、長くつらいトレーニングでした。しかし、その分今の私にはみなぎるパワーが違います」
「そうでしょう。お客様、見違えるほどたくましくなっています」
フロントマンはレジストレーションカードを差し出した。
「さあ、ではこちらにご記入をお願いいたします」
私はその用紙を見て、思わず落涙してしまった。
思えばなんと長いトレーニングだったことか。
ついに念願のチェックインをすることができる。
ペンを持つ手が震えていた。
フロントマンもその様子をじっと見つめている。
やっとの思いで私は記帳を終えた。
大きく息を吐いていた。
フロントマンが小さく拍手をしてくれた。
「おめでとうございます」
私は頬を伝う涙をしきりに拭いた。
フロントマンは私に笑みを浮かべ言った。
「それでは前預かりですのでご料金をお願いいたします」
私はハッとして固まった。
ヘリはゆっくりと海の上を越えていく。
膝の上に操縦士から渡された袋が置いてある。
中の服に着替えろと以前と同じ屈強な黒人があごをしゃくっている。
はあ、と深いため息を吐きながら袋を開けた。
なんで財布を忘れてしまったんだろう・・・・
おかげでチェックイン・トレーニングのやり直し。
しかも次はさらに過酷な内容となるようだ。
遠ざかる博多の地を思って私は一筋の涙を流した。
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「そうでしょう。お客様、見違えるほどたくましくなっています」
フロントマンはレジストレーションカードを差し出した。
「さあ、ではこちらにご記入をお願いいたします」
私はその用紙を見て、思わず落涙してしまった。
思えばなんと長いトレーニングだったことか。
ついに念願のチェックインをすることができる。
ペンを持つ手が震えていた。
フロントマンもその様子をじっと見つめている。
やっとの思いで私は記帳を終えた。
大きく息を吐いていた。
フロントマンが小さく拍手をしてくれた。
「おめでとうございます」
私は頬を伝う涙をしきりに拭いた。
フロントマンは私に笑みを浮かべ言った。
「それでは前預かりですのでご料金をお願いいたします」
私はハッとして固まった。
ヘリはゆっくりと海の上を越えていく。
膝の上に操縦士から渡された袋が置いてある。
中の服に着替えろと以前と同じ屈強な黒人があごをしゃくっている。
はあ、と深いため息を吐きながら袋を開けた。
なんで財布を忘れてしまったんだろう・・・・
おかげでチェックイン・トレーニングのやり直し。
しかも次はさらに過酷な内容となるようだ。
遠ざかる博多の地を思って私は一筋の涙を流した。
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夜勤でバックヤードにいると、音だけで誰が来たかだいたい分かるようになってきます。
「とすとすとすとすとすとすとすとす」
これは仕事で遅くまで残っているうちのスタッフの足音。
「だうんだうんだうんだうんだうんだうん」
これはお酒が入って帰りが遅くなったビジネスのお客様。
酔いもあってふらつくので倒れないよう一歩一歩踏みしめるような足音がします。
「しゅかっしゅかっしゅかっしゅかっしゅかっ」
これはタバコを買いにスリッパで降りてきたお客様。
ちなみに帰り際は「しゅさっしゅさっしゅさっしゅさっしゅさっ」と若干変わります。
「さりさりさりさりさりさり、ぽすっ、さりさりさりさり」
これは足音というよりも服のこすれる音なんですが、新聞配達の方が新聞を届ける時の音。
「さりさりさり」よりは「サリサリサリサリサリ」の方が近いかも知れません。
「―――――――――しゃんっしゃらしゃらおはようございまーす!」
これは今行っている駅弁付きプランの駅弁を届けてくださっている中央軒の方の音。
足音は聞いた覚えがないように思います。
だからいつも最初に聞くのは駅弁の入ったビニール袋をカウンターに置く「しゃんっ」という音で、結構響くのでビクッとなるのが常です。
配達の方たちの足音が聞こえない原因についていくつか考えられるものがあります。
①中央軒の方の靴になんらかの細工がある
②中央軒の方は実は忍びの者である
③中央軒の方はよく見ると床から2㎝くらい浮いている
④中央軒の方が来る時に私の意識が飛んでいる
⑤中央軒の方は私の空想の産物である
中央軒の方が特殊な身体能力を持っているか、はたまた単に私がおかしいのか、今後原因究明のために全力を尽くそうと思います。
さあ今日も夜が更けていきます。
耳を澄ませば聞こえる足音。
「ずべばっちょきんぐふいらむるんごふいーらふいーら」
うーん、これはあれだな・・・・・なんだぁ?!
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これは仕事で遅くまで残っているうちのスタッフの足音。
「だうんだうんだうんだうんだうんだうん」
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「しゅかっしゅかっしゅかっしゅかっしゅかっ」
これはタバコを買いにスリッパで降りてきたお客様。
ちなみに帰り際は「しゅさっしゅさっしゅさっしゅさっしゅさっ」と若干変わります。
「さりさりさりさりさりさり、ぽすっ、さりさりさりさり」
これは足音というよりも服のこすれる音なんですが、新聞配達の方が新聞を届ける時の音。
「さりさりさり」よりは「サリサリサリサリサリ」の方が近いかも知れません。
「―――――――――しゃんっしゃらしゃらおはようございまーす!」
これは今行っている駅弁付きプランの駅弁を届けてくださっている中央軒の方の音。
足音は聞いた覚えがないように思います。
だからいつも最初に聞くのは駅弁の入ったビニール袋をカウンターに置く「しゃんっ」という音で、結構響くのでビクッとなるのが常です。
配達の方たちの足音が聞こえない原因についていくつか考えられるものがあります。
①中央軒の方の靴になんらかの細工がある
②中央軒の方は実は忍びの者である
③中央軒の方はよく見ると床から2㎝くらい浮いている
④中央軒の方が来る時に私の意識が飛んでいる
⑤中央軒の方は私の空想の産物である
中央軒の方が特殊な身体能力を持っているか、はたまた単に私がおかしいのか、今後原因究明のために全力を尽くそうと思います。
さあ今日も夜が更けていきます。
耳を澄ませば聞こえる足音。
「ずべばっちょきんぐふいらむるんごふいーらふいーら」
うーん、これはあれだな・・・・・なんだぁ?!
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ホテルをチェックアウトし、地下鉄に乗り、空港について搭乗手続きを済ませ、待合室の椅子の上で一息ついて、さあまだ少し時間もあるからTwitterでも見ようかとポケットを探った時、やっと携帯がないことに気づいた。
ズボンのポケットと胸ポケットと探ってもなく、カバンものぞいたが見当たらない。
こりゃホテルに忘れてきたなと思い、早速ホテルに携帯で電話した。
呼び出し音が3コール鳴ったところで電話がつながった。
「お電話ありがとうございます、ホテルクリオコート博多でございます」
「えー、さっきチェックアウトした○○号室の△△だけど、部屋に携帯忘れてなかった?」
「それではお部屋を確認いたしまして、折り返しご連絡させて頂きます」
そのホテルスタッフに連絡先を告げ、電話を切った。
連絡を待つ間ヒマなので、携帯でTwitterを開いた。
さて、この話、変なところがあると思いますか?
まったくおかしなところはないんですよ。
そう、彼は携帯を2つ持っているんです。
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こりゃホテルに忘れてきたなと思い、早速ホテルに携帯で電話した。
呼び出し音が3コール鳴ったところで電話がつながった。
「お電話ありがとうございます、ホテルクリオコート博多でございます」
「えー、さっきチェックアウトした○○号室の△△だけど、部屋に携帯忘れてなかった?」
「それではお部屋を確認いたしまして、折り返しご連絡させて頂きます」
そのホテルスタッフに連絡先を告げ、電話を切った。
連絡を待つ間ヒマなので、携帯でTwitterを開いた。
さて、この話、変なところがあると思いますか?
まったくおかしなところはないんですよ。
そう、彼は携帯を2つ持っているんです。
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